大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(行ケ)28号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔編注〕一 特許庁における手続の経緯

原告は、昭和三八年三月一一日実用新案登録出願、昭和四一年一二月八日登録にかかる登録第八一六、三四一号実用新案(考案の名称「刈取脱穀機における穀稈搬送装置」)の実用新案権者であるところ、被告は、原告を被請求人として、昭和四四年六月三〇日、本件実用新案の登録無効の審判を請求し、昭和四四年審判第五、四一一号事件として審理されたが、昭和四六年一一月一六日、「本件実用新案の登録は、無効とする。」旨の審決があり、その騰本は、昭和四七年二月二五日原告に送達された。

二 本件実用新案の考案の要旨

刈取装置と脱穀装置を装備した刈取脱穀機において、刈取装置に通ずる穀稈移送通路の低部に、その下端部を臨ませて穀稈供給口の前方で側方に向けて傾斜させて捲回した搬送チェンと挾扼杆によつて、移送穀稈の基部を挾扼して持ち上げ横倒し状態として、その穂部を脱穀装置に供給すべく構成した穀稈搬送装置。

〔判決理由〕一 原告主張事実は、すべて当事者間に争いがないところ、右争いのない本件考案の要旨および目的ならびに第二引用例に開示された技術内容およびそれと本件考案との対比に関する事実によれば、第二引用例によれば、本件考案におけるように、刈取脱穀機の小型化の目的を達する手段として、搬送チェンおよび挾扼杆を穀稈供給口に斜傾して取り付ける構成ないし技術思想を含まないことはもとよりこれを示唆するものもないことは明らかであるから、本件考案の右の構成をもつて当業者が第二引用例(特公昭三六―一〇八、〇五八号公報)からきわめて容易になしうる程度の設計変更と認めることは到底できない。してみれば、本件審決は、この点の認定を誤り、ひいて、本件考案をもつて第一引用例(実公昭三七―三二、五五六号公報)および第二引用例からきわめて容易になしうる程度のものとの誤つた結論を導いたものといわざるをえない。

二 叙上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、その余の点につき判断するまでもなく、理由があるものということができる。よつて、これを認容する。

(三宅正雄 中川哲男 武居二郎)

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